[2021年]看護職5種の国家試験合格率を解説!
2021年9月9日 掲載
看護職の職種って知っていますか?
看護職って看護師のことじゃないの?
「看護師」もその1つですが、そのほかにも「保健師」「助産師」「認定看護師」「専門看護師」の5つがあるんですよ
なるほど…
でも、なるにはどうしたらいいんだろう?
では今回は、「各看護職に就くまでの流れ」と「最新の試験合格率」を解説しましょう
目次
1. 看護師資格の取り方
看護師になるためには「看護師国家試験」に合格する必要があります。
そして、看護師国家試験の受験資格を得るには、大きく2つのルートがあります。
①中学校を卒業後、看護学科のある高等学校に入学し、入学時から5年間の看護師育成のための教育を受ける。
②高校を卒業後、厚生労働大臣の指定する専門学校(3年)、短期大学(3年)、大学(4年)などで看護師育成のための教育を受ける。
どちらのルートでも、看護師国家資格の受験資格が取得できますが、受験資格を取得できるまでにかかる年数は
①は中学卒業から数えて5年・②は6〜7年となります。そのため、中学卒業時点で明確に「看護師」になりたいと決心している方は①のコースが最適となります。
看護師国家資格の合格率
2021年2月に行われた最新の看護師国家試験の結果は、合格率90.4%(新卒者合格率95.4%)となっています。
(出典; 厚生労働省「看護師国家資格の合格発表)
年によって合格率は変動しますが、過去10年間の平均合格率は89.6%と比較的高い合格率となっています。
2. 保健師資格の取り方
保健師になるには何が必要なのかな?
保健師になるためには、「保健師国家資格」を取得しなければなりません
保健師国家試験を受験するには「看護師国家資格」を持っている必要があるんですが、
受験資格を得るには、主に4つのルートがあるので解説しますね
①中学卒業後、5年一貫看護師養成課程校に入学・卒業し、看護師国家試験を受け看護師国家資格を所有した上で、
さらに1年保健師養成校に入学・卒業して保健師国家試験を受験する
②高等学校卒業後、3年制の看護師養成所 or 看護短期大学に入学・卒業し、看護師国家試験を受け看護師国家資格を所有した上で、さらに1年保健師養成校に入学・卒業して保健師国家試験を受験する
③高等学校卒業後、4年制の看護学校に入学し、「保健師選択をせず卒業」し、看護師国家試験を受け看護師国家資格を所有した上で、さらに1年保健師養成校に入学・卒業して保健師国家試験を受験する
④高等学校卒業後、4年制の看護学校に入学し、「保健師選択をして卒業」し、看護師国家試験を受け看護師国家資格を所有したのち、保健師国家試験を受験する
④のルート以外は、看護師国家試験を受験後に保健師養成校に1年入学・卒業しないと、保健師国家試験の受験資格が与えられません。
そのため、すでに看護師国家資格を取得している看護師が更にキャリアアップを目指す際は、1年保健師養成校に入学・卒業すれば受験資格がすぐに与えられるため、比較的負担が少ないと言えます。
保健師国家資格の合格率
2021年2月に行われた最新の看護師国家試験の結果は、合格率94.3%(新卒者合格率97.4%)となっています。
(出典; 厚生労働省「保健師国家資格の合格発表」)
保健師国家資格の過去10年間の平均合格率は89.7%と比較的高いですが、合格率は年によって約10%以上振れ幅があり、入念な対策が必要です。
3. 助産師資格の取り方
助産師になるにはどうすればいいんだろう?
助産師になるにも、「看護師国家資格」と「助産師国家資格」の2つが必要になります
助産師も看護師の資格が必要なんだね
助産師国家資格の受験資格を得るには、主に2つのルートがあります
①4年制の看護師学校(大学)にて、「看護師課程と助産師課程をダブルで履修」卒業後、看護師国家試験を受験したのちに助産師国家試験を受験する
②4年制の看護学校(大学)・看護短期大学・看護師養成所を卒業後、看護師国家試験を受験・取得したのちに、短大や専門学校に入学し「助産師課程」を履修してから受験する
助産師国家試験を受験するには、「助産師課程」を大学 or その他の教育機関にて履修する必要があるため、4年制大学でそれを履修していない場合は、看護師国家試験受験後にもう一度教育機関に入学・卒業しなければなりません。
助産師国家資格の合格率
2021年2月に行われた最新の看護師国家試験の結果は、合格率99.6%(新卒者合格率99.7%)となっています。
(出典; 厚生労働省「助産師国家試験の合格発表)
助産師国家資格の過去10年の平均合格率は98.0%かつ、90%を下回った年が1度もなく、とても高いです。
「助産師課程」を有している教育機関別の合格率もほとんどの学校で毎年100%となっており、助産師国家資格は対策をしっかり行えば比較的容易に獲得できます。
4. 専門看護師資格の取り方
専門看護師になるにも、「専門看護師資格」と「看護師資格」が必要なのかな?
その通り!わかってきましたね
更に、専門看護師になるには、「看護系の大学院の専門看護教育課程」を修了+「5年以上の実務研修経験」が必要になります
専門看護師資格のポイントは、
①「看護師国家資格を取得しており、(3年以上の専門看護分野を含む)5年以上の実務経験があること」
②看護系大学の大学院を卒業し「専門看護師教育課程を修了すること」
の2点です。
そのため、専門看護師になるには、就労しながら or 1度休職して大学院に通学する必要があるため、時間的+金銭的に調節できないと受験資格を得るのは難しいです。
専門看護師資格の合格率
専門看護師の合格率は、分野によって異なりますが、全ての平均は毎年約78%前後で推移しています。
年によって合格率が非公開になるため、最新情報は
日本看護協会「資格認定制度 専門看護師」をチェックしましょう。
5. 認定看護師資格の取り方
では、最後に「認定看護師になるには何が必要」でしょうか?
うーん、これも「看護師国家資格」と「認定看護師資格」かなぁ
大正解です!
そして、認定看護師の試験を受験するには、更に「認定看護師教育機関にて指定の課程を修了」+
「5年以上の実務研修経験」も必要になります
認定看護師資格を取得するには、
①5年以上の実務研修経験
②認定看護師教育機関にて指定の課程を終了する
以上の2点が必須となります。②の教育機関・課程に関しては、それぞれ条件を満たすものがことなるため、
日本看護協会「認定看護師制度について」を定期的に確認しましょう。
認定看護師資格の合格率
2021年最新の認定看護師の合格率は非公開となっておりますが、2015年〜2017年の3年間の平均合格率は91.3%となっています。
認定看護師試験については、2019年に特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護師教育の開始と、認定看護分野の再編をもくてきとして、認定看護師規程が改正されました。
細かい改正点については、
日本看護協会「認定看護師制度の改正」を参照しましょう。
まとめ
保健師・助産師・専門看護師・認定看護師の資格を取得するには、看護師国家資格を所有していることが前提となるため、スキルアップ資格のため、まずは看護師国家資格を取得することを目標としましょう。
また、それぞれの資格の平均合格率は90%前後となっているため、しっかりと対策をすると合格の可能性が非常に高いです。
一方、資格取得前の条件として、大学院に通学しなければなれなかったり、労働条件があったりと勤務しながら両立するのが大変であるのも事実です。
自身がそれぞれの資格に求めることとそのために犠牲にしなければならないことを考慮して資格獲得を目指しましょう。