【転職検討している方必見】総合病院での看護師の働き方について徹底解説!!
2021年7月14日 掲載
総合病院と言えばどんな印象がありますか?
給料は良いけど、忙しいし夜勤あるからしんどい印象があります。
確かにそんな印象がありますよね。
でも総合病院でしかできない経験も多いんですよ。
しっかりと理解してなかったです…
ぜひ教えてください!
わかりました!
今回は総合病院で看護師として働くにあたって、看護師の役割や1日のスケジュール、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
転職を検討している人も、総合病院で働くための役立つ情報についてご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
総合病院って一体なに?
そもそも「総合病院」とはどういう病院のことを指すのでしょうか。
地域の中核的な医療拠点となる大きな病院は、1997年(平成9年)までの医療法で「総合病院」と定義されていました。
定義:
許可病床数100床以上で主要な診療科(最低でも内科、外科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の5科)を含む病院のこと。
(Wikipediaより引用)
1996年医療法の改正により、地域の医療を支援する役割を果たす「地域医療支援病院」が誕生したことで、法律上での「総合病院」という分類は廃止されています。
そのため現在では多数の診療科がある、地域の中心的となる病院のことを一般的に「総合病院」と呼んでいます。
厚生労働省が発表している「医療施設(動向)調査・病院報告の概要」では、日本の一般病院数は表の通りです。(令和元年(2019)10月1日時点)
※厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動向)調査・ 病院報告の概要」よりデータを引用し、グラフを作成
上記の表からわかるように、一般病院の数は年々減少傾向にあります。
一方で、以下のグラフのように「病床の種類」で見ると全国的に一般病床数が圧倒的に多く、看護師の活躍が期待されている場所でもあります。
※厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動向)調査・ 病院報告の概要」より
総合病院の中での看護師の役割
総合病院にはさまざまな診療科があるため、配属先によって仕事の内容が大きく変わります。
そうとは言っても、保健師助産師看護師法で定められているように、
「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行う」ことに変わりはありません。
では、総合病院の中での看護師の役割の違いや特徴について見ていきましょう。
・病棟:単科(内科病棟、外科病棟など)や、混合病棟(いろいろな科が入った病棟)があります。
主に入院患者の日常生活の援助や、リハビリテーション、検査や手術前後の管理を行います。
時には多職種と連携し、退院の調整を図ります。
・外来:来院される方を対象に、医師の診療の補助を行います。
総合病院では、患者の状態によって当日の緊急入院になることもあり、病棟の看護師と連携を図っていく必要があります。
・救急外来:心肺停止などで搬送されてくる救急患者を受け入れます。
さまざまな疾患の患者が対象のため、幅広い知識と迅速な対応が求められます。
・手術室:手術が安全に、スムーズに進むように医師の補助を行います。
術後も継続した看護が提供できるように、病棟の看護師へ申し送りを行います。
・ICU(集中治療室):生命の危機的な状態にある患者を対象に、集中的な治療を施します。
高度な医療技術、モニタリングと管理能力が必要です。
病院の中でも色々な業務に分かれているんですね!
そーなんです!
次は総合病院の看護師がどのような動きをしているのか。
1日の流れを説明していきます!
1日のスケジュールとは?
総合病院での看護師の勤務は、二交代もしくは三交代制の交代勤務となっています。
看護協会が公開している2014年度「看護職の夜勤・交代勤務ガイドライン」の普及等に関する実態調査では、グラフのように二交代制が多くを占めています。
では、一番多い勤務形態である二交代制では、実際の生活はどのようになるのでしょうか?
日勤・夜勤それぞれの大まかな1日の流れについてみていきましょう。
▼日勤の1日(例)
▼夜勤の1日(例)
現在は看護師の業界でも、働き方改革の推進が図られています。
日本看護協会の「夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」2)では、夜勤後はおおむね24時間以上の休憩時間を確保することが推奨されているため、基本的には夜勤明けの翌日は休みになります。
ちなみに三交代制の場合は、夜勤の勤務時間を準夜勤(16:30~0:30)と深夜勤(0:00~9:00)に分ける交代勤務となります。
夜勤明けの翌日はしっかりと休みを取れるのは大きいですね!
医療業界でもしっかりと働き方改革が進んできていて、ワークライフバランスを取れる
働き方に変化しています。
でも具体的にはどんな仕事をしているのかがまだイメージできません…
わかりました!
総合病院の勤務形態で多い二交代制の看護師の仕事内容について、具体的に見ていきましょう。
具体的な仕事内容の流れは?
これは、大学付属の総合病院で外科系の病棟に勤めていた方の大まかな1日の流れです。
病院の規模や診療科によって多少変わるため、一例として参考にしてください。
▼外科系の病棟で働く看護師の1日:手術日の日勤帯(例)
時間 | 仕事内容 | 詳細 |
8:30 | 出勤 | 担当患者の情報収集、点滴や内服の準備をします |
8:40 | 申し送り | 全体の連絡事項、夜勤帯スタッフからの申し送りを行います |
9:00 | 手術患者の出棟 | 手術室の看護師へ患者の申し送りを行います |
9:30 | バイタルサインの測定、処置 | 担当患者のバイタルサインの測定を行い、 医師の指示通り処置を行います |
10:30 | 看護ケア | 担当患者の清潔ケア、おむつ交換を行います |
11:30 | 昼食準備、食事介助 | 配膳、食事介助を行います |
12:30 | 休憩 | 他のスタッフと交代で休憩に入ります |
13:30 | カンファレンス | チームで患者の情報共有を行います 時には、リハビリや退院支援室などの多職種が入ります |
14:00 | バイタルサインの測定 術後ケア | 午後のバイタルサインの測定を行います 手術から戻ってくる患者のケアを行います |
16:00 | 看護記録 | 担当患者の看護記録を行います |
16:30 | 申し送り | 夜勤帯スタッフへ申し送りを行います |
17:00 | 退勤 | 業務が終わり次第、退勤となります |
▼外科系の病棟で働く看護師の1日:手術日の夜勤帯(例)
時間 | 仕事内容 | 詳細 |
16:30 | 出勤 | 担当患者の情報収集、点滴や内服の準備をします |
16:40 | 申し送り | 日勤帯スタッフからの申し送りを行います |
17:00 | バイタルサインの測定 | 担当患者のバイタルサインの測定を行います |
18:00 | 夕食準備、食事介助 | 配膳、食事介助を行います |
19:00 | バイタルサインの測定、処置 | 担当患者のバイタルサインの測定、医師の指示通り処置を行います |
21:00 | 消灯 | 担当患者の就寝前のケアをします |
23:30 | 仮眠 | 他のスタッフと交代で仮眠をとります |
1:30 | ナースコール対応、 看護記録 | ナースコール対応を行います 担当患者の看護記録、看護サマリーの作成をします |
2時間毎 | 術後患者のバイタルサインの測定 おむつ交換、体位交換 | 術後患者の全身状態の管理をします 患者のケアを行います |
6:00 | バイタルサインの測定、採血 | 担当患者のバイタルサインの測定、採血をします |
8:00 | 朝食準備、食事介助 | 配膳、食事介助を行います |
8:30 | 申し送り | 日勤帯スタッフへ申し送りを行います |
9:00 | 退勤 | 業務が終わり次第、退勤となります |
総合病院で働くメリット・デメリットとは?
今回ご紹介した総合病院以外にも、看護師の働く場所は多岐にわたります。
では、さまざまな施設がある中でも総合病院で働くことのメリットやデメリットとは何でしょうか?
メリット
・年収は基本給に加えて夜勤手当、ボーナスがあるため比較的高めです。
・病院規模が大きいため、福利厚生が充実しています。
例)年次有給休暇、産前産後・育児休暇、夏季休暇、特別休暇(冠婚葬祭)
その他保育所設備、クラブ活動、社宅
・交代勤務のため、休日はしっかり確保されており希望休も取れます。
・中途採用の人も参加できる研修制度が整っており、スキルアップが図れます。
・診療科目が多岐にわたるため、幅広い知識が身につきます。
デメリット
・主任や師長への昇格、専門や認定看護師などの資格取得がなければ、昇給は難しいです。
・仕事量が多く、残業が多くなる傾向にあります。
・休日や勤務時間外でも病棟会や研修、院内外の勉強会への参加が必要となります。(月2~3回)
・命に関わる現場のため、プレッシャーが大きいです。
・診療科目が多く、転職後も継続した学びが欠かせません。
今回は総合病院についてご紹介しましたが、このほかに「施設別にみた看護師の平均年収や福利厚生」についてご紹介したページもありますので、併せてご覧ください。
【20代必見】施設別の看護師平均年収・福利厚生について – セルワーク 看護師求人セルワーク 看護師求人
総合病院で働くための役立つ情報
今回は総合病院の看護師について詳しく解説しましたが、転職後のイメージはできましたか?
「総合病院」と一言で言っても、全国にはさまざまな特徴を持った病院が数多く存在します。
そのため、もっと「現場の声」について聞きたいという方のために、役立つ情報を手に入れる2つの方法についてご紹介します。
①SNSの活用
最近では、SNSで情報発信をされている方が増えています。
総合病院で働く看護師のリアルを知ることができる、おすすめのTwitterを3つご紹介します。
・めで師長@看護師ごときが勝手なこと言います
総合病院で長年看護師長をされている方のTwitterです。
日常の様子や、看護師の仕事に役立つ情報を発信されています。
・白石 拓人(みすほわ)
看護師特定行為研修を修了されている、総合病院の現役看護師の方です。
セミナー講師も担当されており、総合病院の看護師を目指す方には参考になるTwitterです。
・めぐみ@生活習慣改善ナース
キャリア30年以上のベテラン看護師の方です。
総合病院で働いており、看護の視点から生活に役立つ視点まで情報発信されています。
②エージェントの活用
インターネット上には看護師の求人情報が数多く掲載されていますが、実際どのような職場なのかわかりづらいものです。
入職後のミスマッチを防ぐためにも、求人情報を取り扱っているエージェントに現場の状況や詳細を聞くことで、自分に合った職場を見つけられる可能性が広がります。
セルワーク看護師では、豊富な経験があるキャリアアドバイザーが多数在籍しているのであなたの市場価値を確かめる上でもぜひ一度ご相談ください。
まとめ
今回は、総合病院での看護師の働き方についてご紹介しました。
転職を検討されている方にとって、有益な情報が一つでも見つかれば幸いです。
医療の現場は刻一刻と進歩しており、特に高度な医療を扱う総合病院では、看護師は必要不可欠な存在です。
あなたが働きたい場所で、今後ご活躍されることを願っています。
※1)看護協会:夜勤・交代制勤務に関する調査・資料 | 日本看護協会 (nurse.or.jp)
※2)厚生労働省:看護職の多様な勤務形態と課題 (mhlw.go.jp)