看護師から転職できるおすすめ職種10選!

転職

2021年12月20日 掲載

看護師から転職できる職業ってあるのかな?
看護師の仕事は好きだけれど、人間関係や給与面でキツいんだよなぁ

セルガール
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せる羽
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看護師をしている人におすすめの職業を今回は10個お届けします!
転職先の候補を広げてみましょう

看護師の給与の現状

看護師から転職を考えるきっかけとなる理由の1つに看護師の給与の低さが挙げられます。

厚生労働省が発表した「賃金構造基本調査」によると、看護師の平均年収は482万4000円と全業種の平均年収である660万円を大きく下回っているのが現状です。

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看護師は人の命を預かるというプレッシャーや、夜勤や人手不足により勤務時間が不規則になるなど心身的にキツい仕事であるにも関わらず、給与面は他業界と比べて低い点が転職を考えるきっかけとなることが多いです。

2021年、新型コロナウイルスの影響でエッセンシャルワーカーとして更に看護師の需要が高まったことから、政府は看護師に対する賃金の見直しを行うことを発表するなどしましたが、実際には月数千円程度の昇給にとどまることが予想されています。

過去の動向からも、看護師の給与が今後も飛躍的に上昇することは見込めないため、給与面で不安・不満を持っている看護師は転職することをおすすめします。

看護師からの転職におすすめの職種10選

看護師からの転職には様々の選択肢があります。もちろん転職の際は、自身が一番譲れないポイント(給与・ワークライフバランス・人間関係等)の観点から転職先を選択するのがおすすめです。

今回は、大きく「医療業界で看護師以外の職種」「看護師スキルを活かせる他業界の職種」「他業界かつ他職種」の3つのカテゴリーに分けて紹介します。

医療業界で看護師以外のおすすめ職種5選

①治験コーディネーター(CRC)
②臨床開発モニター(CRA)
③MR(医療情報担当者)
④保健師
⑤美容クリニック

医療業界で看護師以外の職種として挙げた上記5つの職種は比較的給与が高い職種です。

そのため「医療関係の仕事で給与を上げたい」という点を重視している看護師に特におすすめの職種です。

①治験コーディネーター(CRC)

治験コーディネーター(CRC)とは、治験をスムーズに行うために医療機関と被験者をつなぐ役割をする職業です。

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主な仕事内容

治験開始前
・スタートアップミーティング
・薬剤師や看護師、放射線技師等の医療機関スタッフとの調整業務

治験実施時
・被験者のスクリーニング
・モニタリング(SDV)対応

治験終了後
・治験修了報告書の作成補助

治験コーディネーターは、治験の開始前から終了後まで「製薬会社」「医療機関関係者」「被験者」と関わりをもって仕事をするため、スケジュール管理がとても重要な仕事です。

また、治験コーディネーターに転職する際は、「治験施設支援期間(SMO)」と呼ばれる治験支援を専門とする民間企業に所属し、都度治験が実施される医療機関に派遣される働き方となります。

治験コーディネーターへの転職は、医療資格があると有利とされています。

日本SMO協会データ2020によると、治験コーディネーター(CRC)の44%が看護師資格を有しており、看護師からの転職先としても実績が多くあるためおすすめの職種です。

平均年収470万円

治験コーディネーターの平均年収は約470万円です。

看護師と比較するとやや下がってしまうのは否めませんが、「夜勤なし・土日休み」という条件を考えると、比較的好条件であるといえます。

また、治験コーディネーターとして働く場合の契約先は、民間企業「治験施設支援期間(SMO)」であるため、賞与や福利厚生が充実しています。

②臨床開発モニター(CRA)

臨床開発モニター(CRA)とは、製薬会社の視点から治験を管理する職業です。

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主な仕事内容

治験開始前
・標準業務手順書(SOP)の作成
・医療機関、治験責任医師、医学専門家の選定及び契約
・スタートアップミーティング

治験実施時
・治験薬の交付及び管理
・モニタリング

治験終了後
・治験の終了処理と終了報告の作成

臨床開発モニター(CRA)は「治験に使用される薬品」を中心に、病院等の医療期間と治験者をモニタリング・指導していく仕事です。

臨床開発モニター(CRA)になるために必要とされる資格はありません。しかし、薬品の知識をインプットする必要があることから、「薬剤師」また、生活習慣病から癌など幅広い治験に対応できることから「看護師」の資格を有している人は優遇されやすい傾向にあります。

平均年収500-800万円

臨床開発モニター(CRA)の平均年収は約500-800万円と、転職先の企業によって大きく異なるのが特徴です。特に年収が高い企業としては、「外資系製薬企業」です。これらの会社は未経験の転職者であっても、初年度から日系の製薬会社と比較して約1.5倍の給料となることが多いです。

また、臨床開発モニター(CRA)業界の特徴として「福利厚生」が充実しているというメリットがあります。特に、「在宅勤務」が可能であったり、働く時間を自由に決められる「フレックスタイム制」を導入している企業が多いため、子育てや介護との両立もしやすく、ママさん看護師にもおすすめの職種です。

③MR(医薬情報担当者)

MR(医薬情報担当者)とは、医師に医薬品情報の提供と収集を行い自社の医薬品普及に勤める職業です。

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主な仕事内容

・医師に薬品の使用(処方)状況を確認
・医師に自社製品の情報を提供
・薬剤師に処方薬の動向を確認

MR(医薬情報担当者)は、自社の医療用医薬品についての情報を病院の医師や薬剤師に対して伝達する仕事です。医薬品業界の営業職という位置付けですが、「薬品を売り込む」のではなくあくまでも、「薬品に関する情報提供を行う」役割です。

そのため、MR(医薬情報担当者)に転職する際は「製薬会社のMR職」に応募することとなります。

MR職は、医療処置などは行わずどちらかというと「営業職」よりの働き方です。そのため、看護師時代に身につけた「コミュニケーション能力」が大きく発揮できる職業である一方、実際に患者さんと直接向き合う仕事がしたい人にはおすすめできない職業ですので注意しましょう。

平均年収600-1,000万円

MR(医薬情報担当者)の平均年収は600-1,000万円と幅広いです。MRの給料の構成は主に「基本給+営業手当+インセンティブ」となっており、手当とインセンティブの割合が企業によって異なるため年収が幅広くなります。

企業によって異なるものの、一般的には「営業手当」は1日外勤すると約3,000円、「インセンティブ」は自社製薬の契約が取れた際に1件あたり数十万円の支給となっています。

④保健師

保健師は、担当施設の人々が健康に生活を送れるためのサポートをする職業です。

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主な仕事内容

・健康相談
・乳幼児検診
・生活習慣病予防講座の企画
・健康診断の準備

保健師は、それぞれ所属する施設や学校にいる人たちの健康サポートをする職業で主に「健康に関する相談」「病気の予防啓発活動」などの仕事内容となります。

また、保健師になるには「保健師資格」が必須となるため、転職先として検討しているけれども資格を持っていないという人はまず、資格取得してから転職活動に臨みましょう。

保健師資格の最新受験動向については、以下の記事を参考にしてください。

平均年収530万円

保健師の平均年収は約530万円と看護師よりも50万円ほど収入は上がります。

保健師の中でも、「行政保健師」「企業保健師」「学校保健師」によって働く時間や内容は多少違いますが、基本的に保健師は「土日・祝日休み」「残業なし」が一般的な働き方です。

そのため、十分なワークライフバランスをとることができ、看護師時代よりもゆとりのある生活ができます。

⑤美容クリニック

美容クリニック看護師は、美容施術・診療のサポートをする職業です。

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主な仕事内容

・カウンセリング
・整形手術の介助
・診療の補助
・美顔器や脱毛器の機械操作

美容クリニック看護師の主な業務としては、「美容医療行為の介助」「患者さんとのカウンセリング」が2大業務です。美容クリニックは保険適用外であることがほとんどのため、来院される患者さんは一般病院以上に「理想の結果」を求める傾向にあります。

そのため、患者さんが望んでいる「なりたい姿」をクリニック側は正確にヒアリングして施術しないと、トラブルにつながるため細心の注意が必要です。

平均年収500-600万円

美容クリニック看護師の平均年収は約500-600万円です。同じ看護師でも一般病院看護師と比べて約100万円ほど給料が高いです。

メリットとしては、「夜勤なしで高給がもらえる」ことが挙げられます。

美容クリニックは私費医療のため、クリニック側の利益が大きく看護師の給料にも反映されることが理由です。

更に、看護師経歴がある看護師は注射などの処置を既に実践経験を積んでいるため、ベース給が未経験の人よりも高くなる傾向にあります。

一方デメリットは、「容姿や年齢制限がある傾向にある」ことです。

やはり、「美容」に特化したクリニックですので、患者さんが来院した際にスタッフをみて「このクリニックなら私もキレイになれそう!」という印象を持ってもらう必要があります。

そのため、美容意識の高い看護師が採用されやすいのが現状です。

クリニック看護師は、看護師の仕事内容を引き継ぎつつ夜勤なしで給与upしたい!という看護師におすすめの転職先といえます。

看護師スキルを活かした他業界のおすすめ職種3選

①保育園看護師

保育園看護師は、保育園に通う園児の健康管理及び保育をする職業です。

主な仕事内容

・園内の消毒
・昼食時のアレルギー確認
・怪我の応急処置
・保育業務のサポート

保育園看護師は主に、「看護師」と「保育士」の両方の役割を果たします。

大きな医療装置を使った医療行為などは行わず、応急処置程度の看護と、保育士さんの保育サポートが大きな業務となるため、「子どもの健康を守りたい!」という看護師にはおすすめの転職先です。

保育園看護師の詳しい仕事内容については、以下の記事を参考にしてください。

平均年収300-400万円

保育園看護師の平均年収は約300-400万円と、看護師と比較して低い傾向です。

しかし、保育園看護師は夜勤がないため日勤の時間のみで働くことができます。

(よって、夜勤手当を除いた病院看護師の平均年収額とほとんど同じです)

②医療事務

医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職の職業です。

主な仕事内容

・受付、会計業務
・外来クラーク(患者と医師の円滑なコミュニケーションサポート)
・レセプト業務(医療保険の事務作業)

医療事務は、患者さんが来院した時に一番初めに関わる医療従事者です。

仕事内容も、受付・会計など患者さんの診察前後に必要な事務作業をするなど、事務面から患者さんを支える仕事です。

医療医務の場合基本的に営業時間内のみの勤務となるため、残業はほとんどなく、クリニックの場合は休診日は固定給となるため、看護師から転職をしたら「同じ病院勤務なのにしっかり休める!」と感動する看護師が多いです。

引き続き病院の環境で働きたい!という看護師にはおすすめの転職先といえます。

平均年収280万円

医療事務の平均年収は約280万円です。看護師と比較すると半減してしまうため、「給与をあげたい」というのを軸に転職を考えている看護師にはおすすめできません。

しかし、医療事務ではパソコンやソフトを使用して作業をすることが多いため、一定のビジネススキルをつけることが可能です。

そのため、将来的に一般民間企業などに転職したい人は、一度医療事務でスキルをつけてから転職することをおすすめします。

(看護師から転職する際にダイレクトに一般企業の事務職などはハードルが高い傾向にあります)

③介護士

介護士は、高齢者が安心して生活できるよう身体・生活等の援助を行う職業です。

主な仕事内容

身体介護
・入浴介助(お風呂にいれて髪や体を洗う)
・排泄介助(トイレまでの移動のサポート・おむつ交換)
・食事介助(食事のサポート)

生活援助
・部屋の掃除
・服の洗濯等

介護士は、自分1人で生活が困難になった高齢者をの生活をサポートする仕事です。

介護士になるために必要な資格は特になく需要が年々高まっている職業のため、転職しやすい職業の1つです。

看護師から転職する際には「利用者の管理スキル」が活かされます。看護師同様、介護士も1人につき複数人の利用者を担当することが多いため、利用者それぞれにマッチした介護を考えスケジュールを組む必要がありますが、看護師時代に得たスキルを活かすことができるでしょう。

平均年収430万円

介護士の平均年収は、資格の有無や転職先施設によって最大50万円ほどの差があるのが現状ですが、「無資格・特別擁護老人ホーム・夜勤なし」の場合の平均年収は約430万円です。

介護士は雇用契約によって夜勤の有無が変わりますが、夜勤なしで年収430万円というのは看護師よりも少し多い金額となります。そのため、「年収」を軸にしている人は「夜勤専属介護士」という働き方をすると夜勤手当等が加算され、看護師の年収からupすることが可能です。また、夜勤は避けて転職したい!というナースも「夜勤なし」の介護士募集があるため、看護師からの転職先として比較的幅広い選択ができるため、おすすめです。

看護師から他業界への未経験おすすめ職種2選

①医療系メーカー

医療系メーカーでは自社製品を「営業職(SR)」「クリニカルスペシャリスト」として普及する職種です。

主な仕事内容

営業職(SR)
・医師や医療関係者に自社製品(医療機器)の説明、導入提案
・取り扱っていただいている自社製品の補充

クリニカルスペシャリスト
・医療関係者(看護師や臨床検査技師等)への自社医療機器デモンストレーション
・説明会や研究会の実施、準備

医療機器メーカーで働く場合、主に「営業職(SR)」と「クリニカルスペシャリスト」の2つの職種があります。

どちらの職種も実際に病院などの医療機関に出向いて、医師や看護師等の医療関係者とコミュニケーションを取る仕事であるため、「現場環境」をよく理解している看護師は特に歓迎される転職先の1つです。

平均年収600万円

医療機器メーカーに転職した場合の平均年収は約600万円と比較的年収は高めです。

また、「営業職(SR)」は契約成立した際に「インセンティブ」が加わり、更に年収は上がります。

医療機器メーカーの中でも、上位のシェアを誇っているのが「外資系医療機器メーカー」となっており、

それらの企業であれば、ベース給が日系大手の1.5倍が相場であるため年収1,000万円も想定内年収となります。

高給料をもらえる医療機器メーカーですが、やはり「転職難易度が高い」ことは覚悟しておきましょう。

看護師経験が歓迎される環境ではあるものの、シェアの上位を占める大手医療機器メーカーだと転職者の必須要件として「・大学卒業以上の学歴 ・TOEIC850点以上」などの項目がよく設けられます。

そのため、看護学校等の専門学校を卒業して看護師になった人は特に転職ハードルが高くなります。

また、医療機器メーカーの多くは外資系のため製品の説明が英語で記載されているものが多く、その説明をするのに「英語力は必須」であることがほとんどです。

②エンジニア

エンジニアは、IT技術を用いてインターネット開発を行う職種

エンジニアの種類

・システムエンジニア
・プログラマー
・セールスエンジニア
・webエンジニア
・インフラエンジニア
・データベースエンジニア

看護師からの転職でエンジニアをおすすめする理由は、「手に職をつけることができること」「需要が高く未経験からでもできる」の2点です。

エンジニアになるために必要な資格はありませんが、看護師同様、「スキルを必要とする職種」です。

そのため、一度スキルを身につけると会社に縛られることなく、リモート出勤やフレックスなど自由に働くことも可能となります。

更に、近年IT化に伴い「エンジニア不足」という現状があります。つまり、エンジニア業界も看護師同様人手不足であり、未経験からでもスキルをつけるとすぐに活躍できる環境が多くあります。

平均年収450万円

エンジニアの年収は、「スキル・雇用形態・担当分野」によって大きく異なるため一律の金額ではありませんが、未経験から転職した最低水準として約450万円ほどです。

企業ごとに転職者に設けるスキルや基準は違いますが、基本的には「土日・祝日は完全休日」「残業は1ヶ月あたり10時間未満」といった企業が多い傾向です。

また、エンジニアを募集するIT系企業の多くは比較的「フレキシブルな働き方」を提供してくれます。

そのため、短日短時間勤務やリモートワークなどワークライフバランスを重視したい転職希望看護師にもおすすめの職種です。

まとめ

看護師からの転職には様々な選択肢があります。自身の希望する働き方が叶えられる職種も多くあると思いますので、まずは職種研究をしてみましょう。また、転職エージェントを活用して他職種や他業界に対して転職対策をするのも有効な手段ですので積極的に活用してみましょう。

<参考資料>

・賃金構造基本調査 ・厚生労働省「職業情報提供サイト; MRの仕事」 ・国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査結果」 ・日本SMO協会データ2020
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