[注目]訪問看護師の役割・働き方とは?
2021年9月3日 掲載
近年、需要が増え続けている「訪問看護師」の仕事内容や役割について説明するよ
目次
訪問看護師とは
つまり、訪問介護は一般的に病院で行われている看護とは違い、在宅で療養する方を対象に看護師が自宅や老人ホームなどの施設に訪問して看護行為を行うことを指します。
利用者によっては、訪問看護に加えて理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門のスタッフも導入している方もいます。
そのため、主治医を含めた多職種間の連携が必要な分野でもあります。
訪問看護を行なっている施設
訪問看護を行っている施設は、「病院」と「訪問看護ステーション」の2つがあります。
主にこの2つの施設を拠点に、利用者が療養する居宅に看護師が出向き看護サービスを展開します。
(出典; 一般社団法人全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション数」)
施設数としては「訪問看護ステーション」の方が多く、2020年時点で全国に約12,000か所あります。
また、訪問看護ステーションの数は年々増えており、訪問看護の需要が高まっていることがわかります。
訪問看護ステーションでの働き方
具体的にどのような仕事をするのかな?
クリニックや病院違って、居宅での看護行為を行うから仕事内容も大きく異なるよ
訪問看護師の役割
訪問看護師は、主に「医療処置」と「生活サポート」が2大役割です。
そのため、看護師と介護士の両方の役割を果たすのが特徴的です。
その理由としては、在宅医療を必要とする利用者は脳血管疾患や筋肉骨格系、認知症などの疾患を抱える方が30%以上を占めているためです。
①健康状態のアセスメント
・全身の健康状態
(体温、呼吸、脈拍、血圧、体重、筋力、視力、聴力、皮膚の状態、意欲、意思疎通、認知・精神状態、睡眠、栄養状態、排泄状況等)を観察し、アセスメントします。
必要に応じて主治医に報告し、医療につなげることもあります。
②医療処置
基本的には、自分自身で処置を決めるのではなく医師が指示したものを代理で行います。
=具体例=
・医師の指示に基づく医行為(点滴・注射、褥瘡処置など)
・在宅酸素療法の管理や吸引、服薬管理
③日常生活の支援
利用者が健康的な生活ができるようサポートをします。
=具体例=
・利用者の日常生活動作に合わせて、清潔ケア(清拭、入浴介助等)
・食事摂取への支援や脱水予防などの栄養管理及びケア
・排泄の自立支援、ストーマ管理、適切なおむつ使用などの排泄管理およびケア
・適切な福祉用具の使用など、療養環境の整備
・利用者のコミュニケーション能力に応じて支援
④利用者と家族のメンタルサポート
メンタルサポートも大事な業務の1つです。
看護を必要とする利用者は本人だけでなく、その家族もまた心身的不安・負担が伴うため彼らのサポートを行います。
=具体例=
・介護や看護負担に関する相談
・健康管理、日常生活に関する相談
・ターミナルケアを含む精神的支援をし、必要に応じて患者会、家族会、相談窓口の紹介
1日の流れ
訪問看護師は、9:00〜18時勤務が多いです。
1人の訪問看護師が1日に行う訪問は、4~5件が一般的となっており、午前に1~2件、午後に2~3件というスケジュールが多いです。
そのため、プライベートの時間を含めると1日の流れはグラフのようになります。
訪問看護師として働く場合は、夜間休日などの緊急時に対応する「オンコール」があります。
勤務先によってオンコールの頻度は違いますが、クリニックや病院で働く場合と違ってプライベートの時間は仕事によって変動します。
雇用形態
次に、訪問看護ステーションで働く場合の雇用形態についてご紹介します。
基本的には、看護師としてクリニックや病院などで働く場合と同じです。
フルタイム
フルタイム勤務では、1週間に40時間(1日8時間)勤務します。
1ヶ月の平均超過勤務時間は約15時間となっており、超過の理由は記録・報告書の作成、緊急の訪問が多いです。
短時間正社員
短時間勤務は、1週間に36時間未満の勤務のことを指します。
1ヶ月の平均超過勤務時間は約4時間となっており、超過の理由は記録・報告書の作成、他機関との連絡調整が上位となっています。
パート
パートタイム勤務では、1週間に36時間未満の勤務時間となります。
1ヶ月の平均超過勤務時間は約7時間となっており、超過の理由は記録・報告書の作成、他機関との連絡調整が多くみられます。
いずれの雇用形態でも、利用者の状態や他機関との連絡調整のための残業時間が発生しやすい傾向にあります。
雇用形態別平均給与
では、訪問看護師として働く場合の平均給与はどれくらいになるのでしょうか。
月給 | 時給換算 | |
正社員 | 338,000円 | 1780円 |
短時間正社員 | 230,000円 | 1675円 |
パート | 260,000円 | 1640円 |
日本看護協会が公開している2018年版看護職の給与データによると、看護師全体の平均給与総額は322,111円のため、訪問看護師の給料は看護師全体の給与額よりも多いと言えます。
訪問看護ステーションでの勤務に向いている人
利用者の家まで出向いて看護をするスタイルであるため、1人1人の患者さんに寄り添った看護がしたい人にはとてもおすすめの職種と言えます。
また、夜勤がないという点も大きなポイントであります。
小さな子供がいる方やワークライフバランスを充実させたいという人には、理想的な働き方ができるでしょう。