[2021年最新版] クリニック看護師の働き方とは?!
2021年7月22日 掲載
クリニックと言えばどんな印象がありますか?
夜勤がなくてワークライフバランスも整いやすい一方で、一人あたりの業務量が多いイメージです。
比較的待遇面なども良い印象がありますよね。
転職先としてもすごく人気なんですよ!
そーなんですね!
もっと良く知りたいです!!
分かりました!
今回は、転職先として人気の高いクリニックで働く看護師について、1日のスケジュールやメリット・デメリットを詳しく解説します。
病棟看護師の勤務スタイルとの違いについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
クリニックって一体なに?
そもそも、「クリニック」とはどのような病院のことを指すのでしょうか。
引用; 厚生労働省「医療法 第1条」
クリニックは、医療法では「診療所」に分類されています。
つまり、総合病院では専門的な治療を担っているのに対して、クリニックや診療所では外来患者と入院患者を地域に根差した形で診療する役割を担っているということになります。
日本にある医療施設のなかでも、クリニックが占める割合は高く「一般診療所」は医療施設全体の約60%となっています。
また、全国に約120万人いる看護師の約16%が現在「診療所(クリニック)」で勤務しており、病院に次ぐ就業場所となっています。
「クリニック」は近年国家単位で注目を向けられている医療機関です。
少子高齢化のムーブメントなどから「地域医療」の課題が顕著となっていることを受けて、厚生労働省は2020年から「質の高い効率的な医療の提供」を掲げ、大型総合病院よりも「診療所(クリニック)」の数の増加に努めており、2021年現在全国に約103,000ヶ所まで規模が拡大しています。
クリニックの中での看護師の役割とは?
では、クリニックでは看護師はどのような役割や業務内容を担うのでしょうか?
クリニック看護師は主に、軽い病気やケガなどの初期医療・慢性疾患の外来診療を担当します。
診療科によって仕事の内容が大きく変わりますが、基本的には以下のような役割があります。
=業務内容=
・クリニックの受付
・医師の診療の補助、血圧測定など検査の介助
・問診
・服薬や食事制限などに関する生活指導
・医療機器や施設内の衛星管理
・カルテの整理
これらの内容の業務をクリニックごとのスケジュールに合わせて行なっていきます。
次に、診療科目別に看護師の業務内容を見ていきましょう。
診療科目 | 看護師の役割 |
---|---|
内科 | 慢性疾患の治療が多く、採血や点滴、心電図検査の補助などが多いです。 |
整形外科 | リウマチや慢性腰痛などの慢性疾患の治療や、骨折・スポーツ障害などの急性疾患の治療を行います。 有床クリニックでは手術も行われていますが、無床クリニックでは検査やリハビリの介助、ギプス固定などの指導が主な役割です。 |
脳神経外科 | 頭部打撲などの外傷をはじめ、脳卒中の初期症状の方も来院されます。 検査の介助など、早期発見・早期治療へとつながるように診療の補助を行います。 |
産婦人科 | 婦人科の疾患に対する治療をはじめ、妊娠から出産までの経過を見ます。お産を扱っているクリニックや、不妊治療を行っている施設も増えており、クリニックによってさまざまです。 基本的には検査の介助や注射、分娩の介助や産後のケアを行います。 |
耳鼻咽喉科 | 急性感染症や難聴の方の治療が大きな役割です。聴力検査や吸入の介助を行います。 |
眼科 | 白内障や緑内障などの手術をはじめ、コンタクトレンズの定期処方を行います。また、眼科特有の視力・眼圧・視野検査などの知識も必要です。 |
皮膚科 | アトピー性皮膚炎、にきびなどの慢性疾患に加え、やけどや蕁麻疹などの急性疾患の治療にも対応します。処置の介助や軟膏の塗布、採血などを行います。 |
美容外科 | 美容目的のため、保険適応外の治療を行います。手術の介助や生活指導をし、クリニックによっては販売ノルマもあります。 |
小児科 | 新生児から中学生くらいまでの患者を対象とし、急性感染症や安定した慢性疾患の経過観察を行うため、幅広い対応力が求められます。 乳幼児健診の補助をはじめ、予防接種や採血、注射などを行います。 |
全ての診療科にも共通しているのは、「患者に寄り添う」業務が多いということです。つまり、コミュニケーション力が必須の仕事であるといえます。
クリニックと言えど色々な業態に分かれているんですね!
そうですね!
次はクリニックの看護師がどのような動きをしているのか。
1日の仕事の流れを説明していきます!
1日のスケジュールってどんな感じ?
クリニックは主に日勤帯での勤務が多く、比較的プライベートや家庭との両立がしやすいと傾向にあります。
では具体的に、クリニックで働く看護師の1日の流れをみてみましょう。
▼クリニックで働く看護師のある日の1日
クリニックの開業時間など勤務先のクリニックによって異なりますが、フルタイムで勤務の場合、勤務時間が基本的には固定(9:00-17:00)となります。
また、クリニックでは残業が発生することが少なく、総合病院で勤務する看護師と比べると、オン・オフをしっかり分けて仕事ができる環境のため、メリハリのある働き方ができます。
また多くのクリニックは、「平日のいずれか1日・日曜・祝日は休診日」という運営体制のクリニックが多いため、平日に休日にできるのが特徴といえます。
クリニックでの1日の流れとは?
では、クリニック勤務時間内の具体的な仕事内容についてみてみましょう。
▼クリニックの仕事内容:診療時間9:00~17:00の場合
時間 | 仕事内容 | 詳細 |
8:30 | 出勤 | クリニック内の清掃や、診療に使う備品の準備 |
9:00 | 午前の診療 | 午前中の診療が開始し、問診や医師の診察の補助 |
12:00 | 休憩 | 午前の診療が終了次第、休憩 |
14:00 | 午後の診療 | 午後の診療が開始し、問診や医師の診療の補助 |
17:00 | 診療時間終了 | すべての診療が終了後、クリニックを閉める |
17:30 | 後片付け | 診察後の後片付けや医療機器の消毒などが終わり次第、退勤 |
上記はフルタイム日勤での例を記載しましたが、クリニックの診療時間によっては交代勤務となることもあります。 また、パートタイムで働く場合は午前だけ、午後だけという働き方も可能になります。
実際クリニックにはママ看護師が多く、朝は学校に行く子どもたちを見送ったあと出勤し、子どもたちが帰ってくる前には仕事を終えて自宅に帰るという働き方をしている人が多いです。
このようにクリニック看護師は、ワークライフバランスを充実できる働き方が可能であり、家庭を大切にしたい方や子育て中の方には特におすすめです。
クリニックで働くメリット・デメリットとは?
これまでクリニックでの仕事内容や勤務体制、ワークライフバランスの確保について確認してきましたが、クリニックで働くことのメリットやデメリットとは何でしょうか?
メリット
・地域に密着した医療機関であるため、自宅から通勤しやすい
・プライベートの予定が立てやすく、仕事との両立がしやすい
・スタッフ同士の人間関係が良い傾向
・大病院や総合病院と比べて、勤務時間外の勉強会や会議は少ない
・クリニックで診療する専門的な疾患の基礎知識の取得や経験ができ、スキルが上がる
デメリット
・クリニックで治療が難しい場合は、患者を大きい病院へ入院させるなどするため、看護師としてのスキルアップを図る機会は少ない
・同じ勤務帯で働く看護師が少人数のため、総合病院以上に一人で幅広い範囲の仕事をこなす必要がある
・夜勤や残業がないため、給与が基本給のみ
・小規模なクリニックは、福利厚生が充実しておらず待遇が手薄い
・看護師の業務以外にも、電話対応や備品の管理・清掃などの雑務をする必要がある
ワークライフバランスが取れて、患者様1人1人しっかりサポートできるのが魅力ですね!
そうですね!
「夜勤や残業が少ない」点については、ワークライフバランスがとれてメリットである一方夜勤手当てなどのボーナスがなく、収入が基本給のみというデメリットでもあります。
収入は確かに大切ですね…
実際にどのくらい違うものなのでしょうか?
「夜勤や残業が多い病院・介護施設での年収とどれほど収入に差が生まれるか?」については、以下の記事で詳細に解説しているのでご覧ください!
クリニックで働くための役立つ情報
今回はクリニックで働く看護師について解説しましたが、転職後のイメージはできましたか?
「クリニック」と一言で言っても、全国にはさまざまな特徴を持った診療所が数多く存在します。
もっと「現場の声」について聞きたいという方のために、役立つ情報を手に入れる2つの方法についてご紹介します。
①SNSの活用
SNSでは、現役で働く方のリアルな日常をチェックすることができます。
クリニックへ転職を検討されている方に、おすすめのTwitterを3つご紹介します。
★りんりん
現在、看護師として皮膚科クリニック(無償診療所)で働かれている方で、クリニック看護師の体験談や転職に必要な情報について詳しく発信されています。
★とろろ ノマド看護師ブロガー
クリニックと訪問看護師・ブロガーを掛け持ちしている方で、看護師としての新しい働き方について情報発信されています。
②エージェントの活用
インターネット上には看護師の求人情報が数多く掲載されていますが、実際どのような職場なのかわかりづらいものです。
クリニックは特に、少ないスタッフでチームプレーを発揮することが求められている場所なため、診療科だけではなく、医師や医療事務などのコメディカルとの関係性も重要な情報です。
転職エージェントでは、履歴書の書き方指導や勤務先の希望条件をもとにしたおすすめ転職先の紹介などを無料で受けることができます。
入職後のミスマッチを防ぐためにも、未公開求人情報も取り扱っているエージェントに現場の状況や詳細を聞くことで、自分に合った職場を見つけられる可能性が広がります。
セルワーク看護師では、豊富な経験があるキャリアアドバイザーが多数在籍しているのであなたの市場価値を確かめる上でもぜひ一度ご相談ください。
まとめ
クリニックでの看護師の働き方はでは
☑︎夜勤や残業がなく、ワークライフバランスがとれる
☑︎患者1人1人と深く関わることができる
といった特徴がありました。
クリニックは地域に根差した看護ができる職場であり、クリニックによって方針が異なるため職場選びの際は実際に見学して、方針に共感できる場所を選びましょう。